TOP > n.s.研究所 > 講義 > コンピュータ・サイエンス講座
移り変わる自然の姿をどうやって予測できるのでしょうか?目の前にある自然を言葉にし、その移り変わりを予測したいというのは、人間の昔からの願いでした。自然の移り変わる姿を言語、数学、プログラミング言語を用いて明らかにしていきます。
コンピュータシミュレーションは、自然現象を現象から本質的な要素を切り出し、論理的に単純化したモデルの構築を行うことからはじまります。注目する現象の状態の移り変わりを記述するアルゴリズムを構築すれば、状態の移り変わりをコンピュータに計算させるのが便利です。従来の自然原理の解明においては、微分方程式などの解析的な方法でアルゴリズムの構築を行ってきましたが、プログラミング言語を用いれば、四則演算のみでアルゴリズムを直感的に構築できます。本科学教育プログラムでは、自然の原理を用いたアルゴリズムの構築に主眼を置き、様々な自然現象に対してコンピュータシミュレーションをおこないます。
今回は「力学の概念」の習得を目的に「物体の運動」を題材にします。実験のパラメータを制御できる実験系を用いて、物体の運動を測定することからはじめます。次に数学という言葉で物体の運動を記述します。さらにコンピュータシミュレーションを用いて物体の運動を予測します。「位置、速度、加速度」の3階層の関係性を理解することで、自然が移り変わる姿を予測する法則を探求します。