「親子・かがくしゃと遊ぼうnatural scienceの取り組み」
日本物理学会2007年春(鹿児島大学) 【発表者】大塚 富美恵(東北大学経済学部3年)
2007年3月19日、日本物理学会 領域13(物理教育)で発表しました。
「親子・かがくしゃと遊ぼうnatural scienceの取り組み」と題して、
第7回体験型自然科学の教室「雪の教室」の取り組みを紹介しました。
はじめに
natural scienceの紹介 スライド②~③
natural scienceとは、宮城の自然の中で
親子がかがくしゃと遊ぶ、体験型の教室です。
主役の子どもたちが、見たり触ったりして、
たくさんのものを発見できます。
かがくしゃの紹介 スライド④~⑤
教室に参加する「かがくしゃ」とは、
自然の中で子どもと自然科学を遊びにできる人たちです。
自然科学の知識と、自然の中で起こる突然の出来事への対応力を活かして、
子どもたちと観察や実験をします。
私は、子どもたちがそれぞれ持っている多様な興味を自由に表現している様子を見て、この教室の良さを実感し、 スタッフとして活動することにしました。しかし、スタッフの活動状況を見ていて、運営に改善の余地があると感じました。
運営の問題点
運営上の問題点 スライド⑥~⑦
かがくしゃが複数いるのにも関わらず、 かがくしゃ一人一人が本来持っているオリジ ナリティーが出ていないことが問題でした。 この問題を解決し、子どもたちにとってより良い 教室にするために、学生に何かできることは ないか考えはじめました。 しかし、かがくしゃの多様性を活かそうにも、 一人一人のオリジナリティーを十分に知らない ため、どうすればいいのか分かりませんでした。
問題解決に向けて
かがくしゃを理解するために スライド⑧
そこで、かがくしゃ一人一人をもっと理解する するために、かがくしゃを分類分けして 一人一人に合った対応をすることにしました。
かがくしゃ分類 スライド⑨~⑫
かがくしゃの特性を、かがくしゃと学生、
それぞれの主体性の高さの違いによって、
①独走型・②学生巻き込み型・③引っ込み思案型の3つのタイプに分類分けしました。
それぞれのかがくしゃの特徴を学生との関係性でイメージ図で表し、良い点・悪い点を明確にしました。
その結果、子どもたちにどのような教室が提供でき、注意すべき点は何なのかを理解することができました。
学生の積極的な参加 スライド⑬
そして、かがくしゃの多様性を出すために、 学生がコーディネーターとなって、 かがくしゃの良い点を十分に発揮できるように 工夫することにしました。 かがくしゃ一人一人のオリジナリティーを 活かすことで、子どもたちが自由に発見できる 教室を目指しました。
改善後のnatural science
第7回「雪の教室」 スライド⑭~⑯
実際に第7回「雪の教室」では、 かがくしゃ一人一人が自分のブースを作り、 それぞれのかがくしゃの担当の学生がブースを コーディネートしました。 水を一瞬で凍らせる実験や、紫外線を取り出す 光の実験など、個性豊かな5つのブースができ、 80人の参加親子が遊びました。
まとめ
子どもが多くの発見ができる場を作るには スライド⑰
学生の参加により、かがくしゃ一人一人のオリジナリティ ーを活かした教室作りができました。 その結果、子どもたちが各ブースで自由に遊べたと思い ます。しかし、かがくしゃの個性を出すことばかりに 目が行ってしまい、子どもたちが多くの発見できる場に はなっていませんでした。 かがくしゃの多様性が活かせる場は、natural scienceに 必要な一つの要素に過ぎません。 次回のnatural scienceは、「主役の子どもたちが自由に 多くのものを発見できる場を作る」という、 そもそもnatural scienceが1番に大切にしていることを より発展させていきたいと思います。
終わりに
参加者へのアンケート、natural scienceの今後 スライド⑱~⑲
雪の教室に参加したご家族のニーズ調査の結果、 自然の中での開催に魅力を感じていることが分 かりました。今後も開催場所を十分に活かした 教室作りをしていきたいと思います。