【学校出張授業】理科実験教室プロジェクト(経済産業省)
経済産業省「理科実験教室プロジェクト」の宮城県の成果報告(2008.03.08)
企業が行う「理科実験教室」における現状として、先端技術の凄さを見せる科学実験や自社製品の紹介等に終始することがあり、子どもたちは理科の授業と実験との関係性を実感できず、一過性のイベントに終わってしまうなど、両者のミスマッチが生じていることがあげられる。さらに教育CSRといっても、プログラム開発のための余裕がない企業が多数であるのが現状である。
そもそも、理科とは自然現象を理解を深めることである。自然現象へのアプローチには、自然現象の根源へと問いかける理学的アプローチと、自然の原理を利用し、社会への還元を考える工学的アプローチの二つがある、宮城県での「理科実験教室プロジェクト」においては、この双方のアプローチから、教育プログラムを開発・実施した。
このプログラム開発の構成は、教育の現場にもマッチしたものになっている。これまでの学習指導要領では、「知識の習得」に重点が置かれてきたが、現在は「活用」となっている。新しい学習指導要領では、その中間として「探求」ということがねらいとされている。「活用」には2つの意味があり、一つは"知識の活用"で、もう一つは"実社会への活用"である。そして「探求」は自然の現象へと問いかけることから始まる「科学のプロセス」そのものである。
科学のプロセスとは、「そもそも、なんでだろう?」という問いかけで興味を喚起し。仮説を立て、検証のための実験を行うことである。実験とはだれもがわかる共通の言葉で、「問いかけ」に答える行為である。
「仮説・検証」のプロセスを繰り返すことが「探求」になり、そして最後に「自然の原理」が得られる。次に「では、どのように自然の原理を利用できるか?」と問いかけ、実社会で活用する方法を考えるという工学的アプローチの始まる。
実施においては、1時間目の「理学的アプローチ」の授業を科学者が行い、2時間目の「工学的アプローチ」の授業を企業講師が行う。
※PDFは こちら (1.75MB)。
報告会「教師と企業がつくる理科授業フォーラム」
2008年3月8日に行われた、「教師と企業がつくる理科授業フォーラム(主催:経済産業省)」にて、ポスターセッションに参加いたしました。
【参考】教師と企業がつくる理科授業フォーラム(PDF)