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2匹の働きアリにおけるコミュニケーションとは?

0.表紙

1.研究背景

私たち人間は、高度な脳機能とさまざまな期間を使って多様なコミュニケーションをとります。しかし、周りにいる他の生物は、これほど多様なコミュニケーション能力を持つものは少ないです。

1.研究背景

特に昆虫などは小規模な脳機能と限られたコミュニケーション能力しか有していないように思われます。しかし、アリなどの社会性昆虫を観察してみると、各個体の能力はあまり高くないにもかかわらず1つの社会が成り立っています。

2.目的

何故、数百匹と膨大な数の個体がいるのに社会が成り立つのでしょうか?当研究では、2匹の働きアリを使い、コミュニケーションの探っていきます。まず、そもそもアリのコミュニケーションはどのような方法があるのかというと、アリ自体がお尻から出しているフェロモンと、触角をぶつけ合うなどの方法でコミュニケーションをとっています。

2.目的

アリ同士が触角をぶつけ合うことに注目し、どこでコミュニケーションをとっているのか、どのタイミングでコミュニケーションをとっているのかということを調べる。よって、当研究では、2匹の働きアリをある空間にはなったときにどのような動きをするのかということを観察した。

3.手法

アリ同士が触角をぶつけ合うということは、必ず対するアリとくっついている。このことから、アリの軌跡を追うことで、もう1匹のアリとどこで接触しているかなどがわかる。実験方法は半球ボールの中にアリを放ち、真上からアリの動画を撮り、画像処理にかけ、座標を抽出し、軌跡を描写する。

3.手法

撮影した動画像を、LabVIEWを使って、座標を抽出し、Excelを使い軌跡を描写する。

4.実験結果

図が軌跡を描写したものになる。図は2匹で実験したもので、左から1時間、2時間、3時間の軌跡になる。

4.実験結果

2匹の軌跡を重ねた図。左から1時間ごとの変化になる。開始60分が最も多く動いているのがわかる。

4.実験結果

それぞれの図から、
・局所的に軌跡が集中している部分がある。
・軌跡が1週していない。
・道筋のようなものができている。
ということが見られる。

5.考察

まず、局所的に集中しているということから、2匹間での待ち合わせ場所があるのではないかと考えられる。 図の黒丸ように、局所的に集中している部分が待ち合わせ場所と考えられ、お互い効率よく情報を交換する ために作られるのではないかと考えられる。

5.考察

次に軌跡が1周していないということについては、アリは縁を好んで歩く性質があるのに、各時間の軌跡を見てみるとどれも1周していない。このことから、1度相手と情報を交換してから次に会うまでの情報を伝える量が決まっているのではないか?

5.考察

道筋のようなものができていることについては、開始1時間後の軌跡を見てみると、中心に軌跡が集中しているものの、よく見ると道筋のようになっている部分が見られる。 しかもそれぞれアリの軌跡の道筋が重ならず、微妙に違う。このことから、ありそれぞれ独自の道を持っているのではと考えられる。

6.今後の予定

今後の予定は、
・2匹が出会っているところだけをピックアップして、軌跡と重ねてみる。
・お互いが情報を交換(くっついて)から、どれくらいの距離を歩いたのか。
・2匹の座標から、その道をどれくらいの頻度で歩いているのか調べる。
ということをやっていく予定だ。



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