日本物理学会 「大学の物理教育」誌 Vo.15-1 掲載論文
(社)日本物理学会 が刊行している「大学の物理教育」誌Vo.15-1(2009年3月)に論文が掲載されました。
組織の枠を超えた若手研究者・学生主体のNPO 法人natural science の試み
大草芳江
1.はじめに
「特定非営利活動法人natural science」とは,「科学」を切り口とした地域づくりを目指す,組織の枠を超えた若手研究者や学生主体のNPO 法人である.2005 年,東北大学大学院在学中に立ち上げたベンチャー企業の一部門を,2007 年にNPO 法人化したもので,意欲高い若手研究者や学生と教育を,「科学」と「地域」をキーワードにつなぎ,仙台・宮城の豊かな地域資源を活用した,研究プログラムや科学教育プログラムの開発・実施や,科学イベントの企画・実施等を通して,「科学」を切り口とした新しい地域コミュニティの創生を目的とする.東北大,東北工業大,理化学研究所,東北学院大などの大学・研究機関に所属する若手研究者や学生ら約20 名が活動しており,最近は日本ナショナルインスツルメンツやアルプス電気など,企業の技術者やOB の方も活動に参加している.
私は2005 年設立時から,研究者としてではなく,企画・運営の立場から活動に携わっている.本稿では,特定非営利活動法人natural science立ち上げの経緯とその試みについて,研究者とは異なる立場から述べたいと思う.