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「学会へ行こう!」プロジェクトとは、高校生・大学生対象の研究・教育プログラムです。
ふとした疑問に立ちどまるところから、各種学会での発表を目指します。
ふだん当たり前に思っている自然の現象にふと立ちどまって、問いかけてみましょう。
「コミュニケーションってそもそもなに?」「記憶ってなに?」「魚はどうやって前にすすむの?」
「固体と液体のちがいってなに?」「鏡ってどうしてうつるの?」
それぞれの問いかけから、実験が始まります。
研究を一緒に行って生きたい高校生・大学生を現在募集しております。
興味のある方は、 こちら までお問い合わせください。
【対象】 高校生、大学生
【協力】 東北学院大学教養学部情報科学科 および、菅原研究室
アリのコロニーは刻々と変化する環境において、食料を調達しコロニーの恒常性を保っています。しかし、アリのコロニーでは管理者不在で、管理担当者がいないのに機能している組織になっています。
アリたちは他のアリと出会ったり、離れたり、仕事に精を出したりします。アリ一匹、一匹の小さな世界が関わりあう出来事が集まって、知らないうちに、コロニーは全体として統制のとれた行動パターンをしています。アリは本当に働き者でしょうか? アリの個性、コミュニケーションに迫ります。
(2008年 国際学会 Artificial life and Roboticsで発表予定)
ボルボックスは単細胞から多細胞へと進化を遂げた起源的な生物です。ボルボックスはゆらりゆーらり動いていますが、光をあてると光の方向に走り出します。本研究では、環境中に複数の刺激がある場合に、感覚器官からの情報の統合をどのように行っているのか、ボルボックスがどのように判断しているのか、明らかにしていきます。
ゾウリムシは自分が住んでいる環境の温度を覚えることができたり、自発的にたくさんのゾウリムシが集まってきてコロニーのような集団をつくります。本研究では、単細胞生物の記憶、社会性に迫ります。単細胞はバカという意味でいわれますが、どこまで単細胞がかしこいかを研究します。 (学術論文 Physical Review Eに投稿)
「ドジョウはどうやって前にすすむの?」ドジョウが動く様子を観察し、どのように前に進むのかを調べます。得られた成果からロボット工学を用いて、メカドジョウをつくります。生物の動きから本質的な要素を取り出してきて、生物が前に進む原理を研究します。 (2007年 日本物理学会春季大会にて発表)
万華鏡から見える世界は、光のすすむ方向さえわかれば決まるのですが、不思議な幾何学模様が出現します。光はある点とある点を最小の時間で進むという原理から、合わせ鏡をいろいろ組み合わせて、見えてくる世界を探求します。芸術的な世界でもあるので、科学から芸術へと還元できる研究です。
土壌にいろいろな震動を加えて、ダイナミックな動きをみます。砂の大きさ、土壌に含まれている水の割合などをかえて、土壌の運動の様子をみます。ヘンなパターンが出てくるので、そのパターンの秘密をさぐります。土壌が液体のように動く姿をみたくありませんか?
地球の資源は限られています。火力発電は石油を使っていますが、石油資源は有限です。しかし、地表にふく風は、太陽があるかぎり、吹き続けます。この風のエネルギーをいかに人間にとって便利な電気のエネルギーに変えるかが、課題です。
問題点は、吹く方向と強さが刻々と変わる風から、いかに安定的に電気エネルギーをつくるかです。風力発電は、今まで金属でできた固いプロペラを使ってきました。やわらかい風に対して、やわらかなプロペラで、やわらかに対応できないでしょうか?
分子シミュレーションは、いまから50年前に分子シミュレーションは自然現象に対する実験の必然性から生まれた。いわばガリレオが1600年代に実験という自然現象を理解する方法を考え出したのと同様の歴史的な意味があります。現在、分子シミュレーションの応用範囲は物理分野のみならず、生物学、工学、医学へと広がっています。分子シミュレーションを使って、ニュートンから始まる力学体系の構築を行います。
地球は太陽のエネルギーを吸収し、熱のエネルギーを宇宙に放出しています。大気は地球上を大きく循環することで、エネルギーの輸送の役割を果たしています。生きている地球とは、大気の循環で地球の恒常性が保たれていることです。
この教育プログラムでは、アクリルケースの中に砂と水と植物をいれ、白熱灯から光エネルギーを送り込みます。
大きな大気の循環をつくることで、生きている地球の姿を実感します。
(「エコプロダクツ東北2007」環境科学教室にて教室開催)
机の上の小さな世界から目に見えない上空の世界を想像します。中谷宇吉郎が「雪は天から送られた手紙である」であるといったように雪の形から上空の気象の状態を知ることが出来ます。雪を人工的につくってみて、その時の実験条件から上空の気象の状態を予測します。身近な素材で雪の結晶をつくり、室温や水蒸気の量を変えながら雪の結晶の形を調べます。さらに雪の結晶の形から、見ることはできない地球の上空の気象環境を予測します。
(「エコプロダクツ東北2007」環境科学教室にて教室開催)
「どうして樹状の雪の結晶ができるのでしょうか?」雪の結晶の形の秘密に迫ります。自然で見られる雪の結晶のほとんどを再現した中谷博士でしたが、ひとつ残した仕事がありました。雪が出来てくる過程のメカニズムを明らかにすることです。このメカニズムの解明にはコンピュータサイエンスという分野の確立を待たなければなりませんでした。コンピュータの中の世界で雪の結晶をつくる実験をします。雪の結晶ができるアルゴリズムを発見し、実験条件を変える中で、いろいろな結晶の形をつくる地球上空の気象条件を考察します。コンピュターの仮想的な世界から新たな現実世界が開かれてきます。
生物の起源は単細胞から始まりまりました。 環境からの情報は膜から入ってきます。膜が耳であり、目であり、口でもあるとい事です。 ヒトは音を耳だけできいているようですが、 実は顔できいたり、骨できいたり、皮膚できいています。 ヒトも一枚の膜で覆われているのです。
波の振動という見方で世界をみると、世界では音という波がその形を変えながら、伝達しています。波の種類が移ろいゆく姿を研究します。電流の振動が、スピーカーで膜の振動にかわり、空気の振動にかわり、耳で鼓膜の振動にかわり、脳の神経の振動に変わります。この一連の流れを実験します。
「霜柱ってどうやって、できるの?」 空と大地の間で、土の上にできる霜柱ができる秘密を探ります。霜柱は土と水の関係の中で、生まれます。
「そもそも、土とはなにか?」という問いかけからはじめよう。
環境が刻々と変化する中で、社会性昆虫であるアリのコロニーは恒常性を保っている。つまり、コロニー自体がひとつの個体であるかのように振る舞う。ではこの超個体はどのように維持されているのだろうか? コロニー全体のアリの数を取ってみても、アリの総数を決定している要因は明らかになっていない。
女王アリと働きアリはどのようなコミュニケーションをとって、コロニー全体のアリの数を調節しているのだろうか?女王アリを管理者ととらえ、働きアリを従属するものとする捉え方もあるが、コロニー全体からみれば、女王アリは単に、卵を産む役割を担っていると考えることもできる。ロボティックスの技術を用いて、社会性昆虫であるアリのコロニーのモデルを構築する。