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第4回学生議論(11月21日)

文責:大塚 富美恵 (2006年11月21日) カテゴリ:体験型自然科学の教室(8)

今回は「natural scienceの売りは?」という議論をしました。

まず、natural scienceにおける「かがくしゃ」の価値とは何かについて考えました。
かがくしゃは、子どもに何かを「してあげている」のではないという共通認識はありました。
では、何をしているのか?それは、自然から科学を切り出していることです。
身近なものを使うことによって、科学するきっかけを作っているのです。
それは、かがくしゃにとっては、子どもにしか出来ない発想力から科学する楽しさがあるのではないかという意見が出ました。
普段は遠い存在である科学者が、近い存在になっていることに価値があるということが分かりました。

次に、natural scienceを自然の中で行う意義について考えました。
「もし、自然の中ではなく、例えば体育館で行ったらどうなるのか?」と想像してみました。
興味が限定されてしまうことや、親と子どもが離れすぎてしまうことなどが、人工的な場所でやることの問題点だと分かりました。
自然の中で行うのは、子どもの多様な個性が守れること、親と子どもが程よい距離感でいられることに意義があるという結論が出ました。

親と子どもが程よい距離でいられることにより、子どもは自由に遊べます。
そして、自然の中から発見をします。
さらに、親は子どもの発見を発見します。
子どもの発見を価値だと実感したら、「子どもが自由→子どもが発見→親が子どもの発見を発見」というサイクルが出来ます。
これがnatural scienceの売りだと考えました。
natural scienceは、かがくしゃと親・子どもの距離感、親と子どもの距離感を程よくしている場であるのだということが分かりました。

議論を終えて

naturalscienceの売りを考えていく中で、「参加するかがくしゃのメリットは?」「自然の中でやる意義は?」などという議題になったときに、逆の場合を考えることから始めました。 全く違う状況を分析することで、本当に知りたいことが見えてきました。 もし、かがくしゃにメリットが何もなかったら、「してあげる」「してもらっている」というそもそもやりたくないことをしていることになります。 また、natural scienceを人工的な場所でやっていたとしても選択の幅が狭く、いくら自由だと言われても、子どもに「やらなくちゃ」という気持ちにさせてしまうかもしれません。 何かと比較して、その後本当に知りたいことについて考えると、理解がぜんぜん違うと思いました。 前回は、それが出来ていなかったのだと思います。 また、議論のつながりをあまり意識できず、話の流れをつかみにくくさせてしまったのだと感じています。 議論に参加している学生さんが、考えやすい状況設定をすることと、議論が自然に進んでいくことにもっと気を遣っていきたいと思います。



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