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魚の性質を探る(第8回「海の教室」)

文責:大野 誠吾 (2007年7月 5日) カテゴリ:体験型自然科学の教室(12)

今回やったこと「魚の性質を探る」

以前の natural scienceで魚をテーマにしたことがありました。
そのとき疑問に思ったこととして魚は海底の情報に影響を受けるかということがあります。
もしその行動が海底の違いにより影響を受けるのであればそれを利用した新たな漁法が確立できるかもしれません。
また同じく新たな漁法の糸口になりうることとして魚の群れる性質を使えないかということに前から興味をもっておりました。
今回はこの2点について魚の性質を探る実験を行いました。

用意したもの

プール

プラ板(青、赤、緑、白)


実験その1 海底の環境に対する応答

1.プールに水を入れその底に砂や各色のプラ板沈める。
2.魚網で魚を捕獲する。できるだけいろんな種類を集める。
3.集めた魚をプールに入れる。
4.書く魚の行動を観察する。

結果

この実験に用いた魚は主に
a)群れを作って泳ぐ魚(名称不明)、
b)はぜの仲間、
c)カレイの仲間
の3種類である。プールの底の色は水色であった。
a,bについては特別な行動を観察することができなかった。
cについては普段海底に生息する性質があるにもかかわらずプールの海面近くまで上がってくる行動が観測された。
また、プールの底で留まることもあったがそのときは砂の上でじっとしていた。

考察

これらのことから海底のa,bについては海底の色、少なくとも実験で用いた色には敏感とはいえない。 そもそも、魚は色を識別できるのか?という新たなの疑問がわいた。 cについてはプールと砂地の違いは認識しているようである。 このことが色による違いなのか体の感覚の違いなのか調べるために今後色のついた砂、もしくは砂色のプラ板を用意し同様の実験を試みる必要がある。


実験その2 鏡に対する応答

実験その1で用いたプールに鏡を入れそれに対する魚の応答を監査する。

結果

この実験には上のa,b,cに加え
d)ふぐの仲間を用いた。

a),d)について鏡の方に向きながら鏡に沿って運動する行動が見られた。
鏡を垂直にしたときよりも傾けたときの方が鏡にそう行動が強み見られた。

考察

aについては群れる性質があるのでそれが原因となっている可能性がある。 はやしかがくしゃとの議論したことであるがそもそも群れを成す魚がお互いの間隔を保つ性質があることを仮定する。 右の図で魚1が相手の魚2に右に向いて欲しくて近づくと2が本物の魚であれば近づいてきた魚1を見て右に向きを変えるであろう。 しかし鏡の中の魚2は傾きが逆に左方向に向きを変える。 1にしてみれば右に向いて欲しかったのに左に向きを変えたのでさらに右に向くことで2に右に向くことを促す。この結果鏡に対して魚が安定して沿って動いていたものと考えられる。 dについては泳ぐ速さが鏡のないときに比べ速かったことから群れとは別の意味合いで鏡を認識している可能性も考えられる。 dが同種で2匹いなかったのでこの点については次回以降の課題である。 また鏡の角度依存性についても今後定量的に扱う必要がある。



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