弘進ゴムさんに靴底をご提供いただきました。
本日は、弘進ゴムさんに、靴底をご提供いただきました!
弘進ゴムさんは、ゴム長靴の製造販売が国内でトップシェアを誇る、
仙台本社の、ゴム・ビニール製品メーカーさんです。
弘進ゴムさんには、この場を借りて心より感謝申し上げます。
なぜ、靴底?!
と、不思議に思った方もいるかもしれません。
きっかけは、先日の西井社長へのインタビュー(宮城の新聞)。
パンフレットに掲載されている靴底のパターンが、
なんと、60種類もあることに、とても驚いたので、
( ↑ 弘進ゴムさんのパンフレットです。
用途に応じた機能性を追及していくと、ここまで靴底も多様化するなんて驚きです)
毎週ディスカッションしている研究者たちに、早速、その靴底の話を報告しました。
研究者たちとは、普段のディスカッション以外にも、
定期的にNPOで子どもたち対象の科学教室を開催しているのですが、
折しもちょうどその頃、「すべらない科学」という実験テーマを企画中。
例の靴底の話をヒントに、実験計画が完成しました。
ここで少しだけ、どのような実験なのかをご紹介しますと、
つるつるに凍った滑り台の上でも、「すべらない」底面の形状を
子どもたちが試行錯誤して考え、誰が一番「すべらない」底面を
つくることができるか、を競う実験(遊び)です。
そもそも「すべる」とは何なのか?
を、実験を通して、楽しみながら考えることをねらいとしています。
そして、さらにできたら面白いのではないかと思ったのは、
自分でつくった底面と、既製品(靴底)との比較。
「どうやればすべらないだろう?」と試行錯誤した後は、
誰だって他人の戦略が気になります。
そんなとき、実社会で使われている底面を見てみれば、
「なぜ、こんな形の底面になっているんだろう?」
という視点で、靴底を見れるんじゃないかなぁと思うのです。
これまで視界には入らなかった、それでいて身近にあるものが、
こうやってひとつひとつ、つながっていったら、きっと
もっと世界が楽しく見えるんじゃないかなぁ・・・
と、ちょっと長くなってしまいましたが、
弘進ゴムの西井社長にそのようなお話をさせて頂いたところ、
有難いことに、今回、靴底をご提供頂けることになったのでした。
大変快くご協力いただきました弘進ゴムさんに、
あらためて心より感謝申し上げます。
さらに今回は、企画開発チームの島見さんと小林さんに、
靴底について、詳しいお話を伺ってきました。
こちらは、どちらも塩ビ製の靴底です。
よくよく、左右の靴底を見比べてみてください。
どのようなちがいがあるか、わかりましたか?
最初に答えを言ってしまうと、左は屋内用、右は屋外用につくられたもの。
屋内は地面が平らであることを前提としているため、
設置面積が大きいほうが、滑りにくくなります。
そして、立ち上がりの角度が90°なのは、
ひとつひとつのゴムのブロックを動きやすくするためだとか。
ゴムをある程度、しなるような硬さに調整しているそうなのですが、
しなるほど、滑りにくくなりますよね。
また、ほとんどのゴムのブロックが、横長に配列されているのがわかります。
これは、前に進むときに、前方向ですべることを防ぐため。
基本的には前方向に進むことが前提になっているので、
ほとんどが横長のブロックになっていますが、
力をぐっといれる部分は特に、左右方向にもすべらないよう、
少しだけ、縦長のブロックも、(X型に)配列されていることがわかります。
その証拠に、こちらの靴裏は、
縦と横のブロックが、大体同じくらい配列されています。
ということは、前後左右どの方向に対しても、
滑らないような設計になっていることがわかりますね。
ちなみにこちらの靴底、
シェフの厨房用スニーカーに使用されているそうです。
(そういえば確かに、シェフは左右の動きが多そうですよね)
自分たちの身近な世界(=地域)には、いろいろな面白い世界が
たくさん転がっているのだなぁ、と実感する今日この頃。
ただ、これまでは見えていなかっただけなんですよね。
そのひとつひとつを、「見える化」していきたいと思っています。