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なみとかぜのかがく(第11回「森の教室」)

文責:大野 誠吾 (2008年6月10日) カテゴリ:体験型自然科学の教室(12)

行ったこと

水面に対して水平方向に風を起こしたときにできる波について調べた。
レーザー光線を水面に当てそこからの反射光をスクリーンに投影することで微小な水波においても振動がモニターできるようにした。またスクリーン上の点の動きのうち一方の方向の振動にのみ着目することで、波の伝播方向を固定した観測が可能となり、点状の波源から出た波のうちある方向に伝わる成分のみ抽出することができる。

風を起こす方法として団扇および空気入れを用いた。団扇では広い範囲に弱い風を作ることができ、空気入れは逆に細いノズルから空気を送り出すことから狭い範囲に強い空気の流れを作り出すことができる。


結果と考察

強い風を起こしたとき大きな波の振動が見られた。
また、空気入れで風を起こしたとき空気の流れに向かって水面が持ち上がり、その下流に波が発生していることがわかった。このことは運動している流体の運動方向と垂直な方向への圧力が下がるというベルヌーイの法則により説明ができる。すなわち、ノズルから出た高速の空気の周りでは周囲よりも圧力が下がり水面が持ち上がったものと考えられる。

水面上を吹く風は本質的に水面を不安定にする性質を持っているものと考えられる。右図のように一旦波ができている場合に水面上を風が吹く場合を考える。このとき波の一つ一つはちょうど飛行機の翼の断面と似た形状をしている。波を構成する一つ一つのうねりが飛行機と同様に上向きの力(揚力)を受ける。それにより波は成長しさらに振幅が増加するものと考えられる。このことは水面を風が吹いていたとき、何かの揺らぎにより、水面に波が生じた場合それが成長することを示している。
今回の実験から風が強いほど大きい振動がえらることがわかったがこのことは風が強くなると揚力も強くなることとつじつまが合う。



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