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責任の切り分け~自分のやるべきこと~

文責:宮崎 栄康 (2008年7月11日) カテゴリ:宮崎日記(73)

natural scienceシンポジウムでの俺の役割は2つである。
・企業に踏み込んで、大人でも子供でも楽しめるよう、その企業の
本質的な要素を取り上げて、万人に対してのおもしろい授業を作る。
・もう1つは演出を工夫して、誰でも科学に気軽に触れられる会場を作る。
そして、空間的、時間的に俺が伝えたい”場”そのものを、そつなく運営する。

切り分けていなかった。それを認識したのはある企業との打ち合わせである。

「俺が現場と場作りのどちらに立っているのかを認識していなかった」
現場の人は自分と同じ分だけ苦労をしている”同志”にだけ心を開く。
そして、場作り、つまり同じ階層でない外部の人からの助言には過度に抵抗
する。自分の現場の成果を横取りされてしまうのを敏感に感じ取っているのだ。
   
今回、ある理系学生が、企業の分野と同じ研究していたので、理系学生と
企業とが議論して、おもしろい授業内容を作れると思い、ブースを一任した。

そこで失敗したのは任せた後の責任の所在を認識していなかったからだ。

俺は学生にブースを一任し、その時点で現場は学生に切り替わっていた。
俺は場作りの側。つまり、最後の打ち合わせで、いくら統括プロデューサー
を気取っても、決して授業内容には口を出してはいけない。
なぜなら授業開発段階は、理系学生と企業との現場なのである。
いつもは2つとも自分がやるので、立場が変わったのに気づけなかった。
  
一任したのだから、授業がおもしろくなかったなら、学生と議論し、
授業内容についてはしっかり責任を取らせればいい。
授業内容全てをすっぱり切り渡し、学生に責任を切り渡せないない
状況ならば、初めから任せてはいけないのである。

場作り側、特に現場の上に立って指揮を執るのだからこそ、必ず
責任の所在を明らかにしなければならない。

自分の役割は「授業開発」と「統括プロデューサー」の2つであった。



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