ガウスメータ制作
そこで、はじめに磁束密度を測る装置ガウスメータをつくることにしました。まず、そもそも磁石が不思議なのは、 離れているところに力を与えることです。 磁場ができたということです。
目的
みえない磁場を数値にすることで大きさを判断できれば、電磁石の強さを客観的に測定できます。 そこで、磁場が大きさをはかる装置を開発しようと考えました。
原理
このガウスメータはホール素子をつかったものです。 電流を電子の動きだと考えます。 図のように電子が移動してるときに磁場がかかると、矢印の方向に力をうけます。これはローレンツ力とよばれ電子の速度と磁場の大きさに比例した強さが電子にはたらきます。
その結果、電流と垂直の方向に電荷の偏りが生じます。片側に電子が集中するのです。電荷の偏りができたということは、起電力が生じたといえます。 つまり、電池のプラス極とマイナス極ができたようなものです。この現象はホール効果とよばれています。 ここで、生じた起電力を数式で表してみます。電流Iが流れているときに磁束密度Bの磁場がかかり、起電力Vが生じたとするとV=kIB が成り立ちます。 この式から、Iを一定にしておけば、Bに比例した起電力が得られることがわかります。
方法
そこで、ホール素子に一定の電流を流すための回路を組み常にiが一定の値になるようにします。そして、出力された起電力を電圧計で測定し、2つの値からBを求めるという手法をとることにしました。
Bの値を求めるには、先ほどの式の比例定数kの値がわからなければなりません。
この値は積感度と呼ばれています。積感度はさまざまな要因で変化するので
予め測定しておかなければなりません。
そこで磁束密度のわかっている磁石を準備し、kを求めました。
結果
この表が測定結果です。
2つのガウスメータのホール素子について積感度を求めます。
グラフは直線に近似しています。
考察
Iは一定にしてあり、V/Bが結果からわかるの で積感度kがもとまります。
ところで、B=0の時に起電力が生じていました。はじめは何か失敗したのかと思いましたが、 測定しているうちにこの起電力を基準として、電圧が増えたり、減ったりしていることがわかりました。 このことから、はじめの起電力とホール効果による起電力のわが出力電圧になっているといえます。つまり、出力電圧から初めの起電力を引いた値を使ってBを求めなければならないということです。
今後の方針
今後はガウスメータをつかって、まず電磁石を測定することで、電流のつくる磁場を数値にしてコイルの3次元的な電気の流れがそれぞれどのように作用して中心に磁場をつくるか、それをとおして電気と磁気のかかわりをしらべていきたいです。