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【2008.07.21】
ハードウェアをつくろう1

文責:八重樫 和之 (2008年7月23日) カテゴリ:体験編(180)

講座の目的

夜、街に出ると店やビルがピカピカ光っています。会社の宣伝だったり、イルミネーションであったり様々です。点滅したり色が変わったり。。。でもどうやって点滅してるんだろう?光り方が変わるんだろう?このような疑問に対して今回の教室では作りながら仕組みを理解していきます。

まず、1個の発光ダイオードはどうすれば光るのか?数を増やすにはどんな回路を作れば良いのか?という機械の部分、すなわちハードウェアの部分。次に、複数の発光ダイオードを様々なパターンで光らせるにはどんなプログラムが必要か?というソフトウェア部分。

今回はそんな電光掲示板のハードウェア(電気回路)とソフトウェア(プログラミング)の両側から考え作っていきます。

今日の目的

第1回目講義では電気回路の作り方を学びます。まずは、回路作りの基礎の基礎、部品のつけ方であるはんだ付けをマスターします。そして、電光掲示板の要であるLEDを光らせるにはどんな回路を組めばいいかを考えます。

授業構成と授業の様子

科学工作教室では、生徒が自分の手で作り試し考る、試行錯誤の過程を大切にした授業構成としています。今回の授業では、まず回路作りに必要な、はんだ付けの方法を説明します。次に、生徒ははんだをつける感覚を覚えます。ある程度慣れてきたら、回路作成です。LEDを光らせるにはどんな回路にすればいいのか?部品を組み合わせて考えます。まずは、LEDと電池を直接繋いでみます。するとLEDは一瞬光りますが、焼き焦げて壊れてしまいました。そこで、抵抗を介してLEDを繋いでみます。「電池ー抵抗ーLED」の順に直列で繋ぐことでLEDは光り続けることができます。

一人の生徒から「ところで、『電池ー抵抗ーLED』はうまくいったけど、『電池ーLEDー抵抗』の順に繋いだらどうなるの?」

という質問が出ました。じゃあそれも試してみよう、ということで『電池ーLEDー抵抗』の順に繋ぐ回路、『電池ー抵抗ーLED』の順に繋ぐ回路の両方を作り結果を比較しました。すると、どちらのLEDも光り続けました。さらに「回路で何が起きてるんだろう?」という疑問が浮かんできます。

そこで、次に回路の各部に何が起きてるかを見てみよう、すなわち「電圧」の大きさを測ることにします。オシロスコープ(※)という機具を用いて電池の起電力、LEDにかかる電圧、抵抗にかかる電圧を測定します。すると、抵抗がない場合は9[V]の電圧が直接LEDにかかりLEDが焼き焦げてしまうのに対し、抵抗を介すると抵抗に7[V]電圧がかかり、LED には2[V]の電圧しかかかりません。そのためLEDは光り続ける、また抵抗がなぜ必要なのかがわかりました。さらに、『電池ーLEDー抵抗』の順に繋ぐ回路、『電池ー抵抗ーLED』の順に繋ぐ回路でも各部にかかる電圧は変わりませんでした。よってどちらの回路も等価と見なせることがわかりました。

今回の授業ではこのように、回路の作り方、計り方に関する知識、技術を学びました。

(※本来、電圧の測定には電圧計を用いますが、本講座では後に行うデジタル回路との比較を行うためオシロスコープを用いています。)

次回の講義

次回はいよいよデジタル電光掲示板のハードウェア部分を製作します。回路としてどんな仕組みになっているかを考えながらハードウェアを作っていきます。



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