ガウスメータ製作2 オペアンプによる定電流回路
ガウスメータの制御回路
ホール素子をつかって磁場を測定するためには、一定の電流を流す必要がある。一定の電流を流すための回路についてまとめる。
定電流回路
回路図において、
V+とRが既知の値である。
オペアンプの性質より
Vo = k ( V+ - V- ) (1)
トランジスタのベース・エミッタ間の電圧降下をVfとおくと、
Vo = V- + Vf (2)
(1)、(2)式を連立してとき、オペアンプの利得率kを∞とすれば、
V+ ≒ V- (3)
となる。
つまり、トランジスタをとおして負帰還をかけると、オペアンプの入力端子が同電位になり、イマジナリーショートが起きていることが分かる。
トランジスタのコレクタに流れ込む電流をIcとおく。トランジスタの利得率をhとすると、
Ib = Ic / h
キルヒホッフの法則より、
Ie = Ic +I b = ( 1 + 1 / h ) Ic
微小な誤差を無視すれば、
Ie ≒ Ic
また、オペアンプの入力抵抗を無限大と考えれば、オペアンプのマイナス端子に電流は流れこまないとみなせるので、抵抗Rに流れる電流はIcとなる。
よって、抵抗Rについてオームの法則より、
V- = Ic ・R (4)
(3),(4)式より
Ic = V+ / R
が得られる。
V+を一定にしておけば、lcが一定になることが分かる。
ホール素子への入力部分
ガウスメータのホール素子への入力部分である。
5Vのツェナーダイオードにより、オペアンプのプラスの入力端子に5Vがかかかる。イマジナリーショートにより抵抗Rにかかる電圧は5Vとなり、ホール素子に流れる電流Iは、
I = 5[V] / 1[kΩ] = 5 [mA]
となる。