開発環境の重要性
現在行っている科学実験工作教室~ロボットへの道~。これで使用しているICがPICマイコンというマイコンだ。今週からこのPICマイコンからAVRマイコンというより先端技術を用いた環境への移行を開始した。PICマイコンとAVRマイコンの違い。一番大きいのは開発環境にかかるコストだ。今まで使用していたPICマイコンはソフトウェア環境に約3万円、マイコンのライタ環境に約1万円。ロボット1台の開発環境につき計4万円ほどの経費がかかっていた。これに対し今回使用するAVRマイコンはソフトウェアはすべてフリーの環境となっている。さらにライタの回路図も公開されており、ここ1週間でライタの設計図まで手に入れることできた。経費的に考えると2千円もあればすべての開発環境をそろえることができるだろう。
この開発環境の変化は大きい。それは、生徒が家でも製作が可能であるという点だ。今までのPICマイコンは開発環境を整えるための経費が高すぎて、教室を開いている時間しか製作ができなかった。しかし、今回のAVRマイコンを用いることでパソコン1台があればプログラムのコンパイルから書き込みまでが千円のUSBケーブル1本で可能だ。自分が造りたいと思う科学教室は、生徒が家でも自分で作れるようになるということだ。開発環境という面で、この実現に大きく近づいたと思う。さらに、家で子どもが「お父さん」と一緒にロボットを作るということも可能になる。今後は「できるお父さんのロボット教室」というお父さんが子どもに教えることができるような大人向けの教室も開いていきたい。
最終的に、ロボコンに小学生もそのお父さんも参加して互いに競えるような状況まで実現させていきたいと思う。ただ部品を組み立てて動いただけの、体験だけの教室だけでなく、一つ一つ仕組みを理解し応用できる科学教室があれば本当に面白いと思う。