報告「はかってみようさんの科学法則マスターへの道 第1段 磁力をはかってみよう!」
私たちの生活は便利なものがたくさんありますが、それを実現している科学法則を気にすることはあまりありません。例えば、学校で電磁気を学習しますが、この学問はどのように私たちと関わっているのでしょうか。
今回の教室では、磁場の大きさをはかる装置を製作し、それを使って磁場を可視化する作業を通して、磁力のもつ性質を調べます。
授業内容
磁力ってなに?
磁石を近づけみると、引っ張る力あるいは離れようとする力を感じます。 普段の生活では、力を感じる原因として、物に触れることが多いと思います。 何も触れていないのに力を感じることは非常に不思議に感じます。 この力の大きさは、磁石の種類や磁石間の距離で変わることは経験から想像できますが、 実際には、磁力はどのような性質を持つのでしょうか。
ガウスメーターをつくる
ガウスメーターとは磁場の大きさを測定する装置です。磁力は磁場に比例して大きくなります。
多くの測定器は対象にする物理量を電気に変換することで、測定しています。
製作するガウスメーターは、磁気を電気に変換する磁気センサを、電子回路で駆動し、
センサが作り出す電圧を測定することにより磁場の大きさの測定することを実現しています。
完成したら、電気を音に変換する電子回路を使って動作確認します。
ホワイトボードの回路図を見ながらみんなで作ります。
先生や友達と相談しながら、部品のはんだ付け、配線を行います。
はんだ付けが初めての生徒も試行錯誤しながら、なんとか磁気センサを動かすことができました。
磁力をはかってみよう
自分で作ったガウスメーターを使って、実際に磁石のまわりの磁力を測定してみましょう。
プリントの真ん中に磁石を置いて、ガウスメーターを移動させ、磁気センサと磁石との
距離と、磁気センサが作り出す電圧を測定し、記録していきます。
それをグラフにして、磁力を可視化します。どのようなグラフができるでしょうか。
完成した人からグループをつくり、強い磁石や弱い磁石、磁石の表裏の違いなど
さまざまな条件で実験しました。
結果発表
できたグラフをホワイトボードに書いてもらいました。 磁石の近くでは、磁力が大きいのですが、距離を離していくとすぐに磁力が小さくなっていくことがわかりました。 また、グラフは曲線になり、磁石の種類を変えてもグラフの形は同じようになりました。
グラフには電磁気学の基本法則であるクーロンの法則があらわれています。 クーロンは、200年ほど昔に、自ら発明した測定器をつかってこの法則を発見しました。 その法則を、今日はみんながつくったガウスメーターで再び発見することができました。 これをきっかけに身の回りにある磁気を探し、私たちはどのように磁気の性質を使っているのか考えてみてください。