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実験結果と生物の関係を踏まえた研究の方向性について

文責:結城 麻衣 (2009年4月24日) カテゴリ:少数の働きアリによる行動解析とモデル化(16)

今までの議論と結果から考えられるストーリー

今までの実験結果で速度の結果から、活発-不活発のリズムがあることがわかった。 しかし、アリが動いたり、休んだりを繰り返す意味はアリにとってどういう意味があるのかわからない。

今回の琉球大でのディスカッションから、実験で使用しているアリは外役のアリだということがわかった。 外役のアリは、コロニー全体の内約1割が外役で、年をとったアリが多く、主に巣の周辺の探索やフィールドワークの仕事を主にする。 巣の外は敵と接触したり、捕食されてしまう可能性が非常に高い。 もし、外役のアリが巣の外で活発不活発のリズムで動いていたと考えると、そんな危険がある中でゆっくり休むとは考えにくい。 かといって、常に動いていると、エネルギーが消費し、力尽きてしまう可能性があるので、休むことは必要だ。
では、外役のアリが巣の中で休憩していると考えたらどうか。 アリの巣はチェンバーという層がいくつか連なってできている。そのうちの、第一チェンバーに外役のアリがいるとされている。 またコロニー内の1割が外役のアリであるということから、外役アリはここで休憩をとり、交代交代で外界の探索を行っているのではないだろうか。 100匹のコロニーだった場合、約10匹は外役のアリで、複数で交替に探索と休憩を行うことで、成り立っているのではと考えられる。
yuki090422_02.gif

また、アリの引っ越しについての話から、引越しの範囲は約3~4m以内に行われることがわかった。 もし、アリが1分間に100cm動いたとする。15分周期で動く休むを繰り返しているとすると、計算すると動いている時間は7分半(470秒)。 470÷60=7.8なので、約8mは動ける計算になる。巣までの往復を考えると、巣から半径4m以内であれば活発に動けることになり、引越しの範囲と一致する。 これらのことからまとめると、外役のアリは10から30分の間に、交代しながら探索と休憩を行っているのではと考えられる。 以上のことから、まずはアリがどこで休むかということを明確にする必要がある。 巣の中で休むと考えられることから、仮想コロニーを用意し、外界と行き来できる実験空間をつくる必要がある。 よって、以下のような実験器具での実験を考えている。 yuki090422_01.gif コロニーはアリにとって居心地のいい場所、つまりアリのフェロモンを充満させることによって、仮想的なコロニーを準備する。 その中に、外役のアリを入れ、仮想外界と空間と繋げる。これにより、巣と外の空間の区別をつけ、アリが行き来できることで、アリがどの様に動き、また、2匹間での行動に影響が出るのかを調べてみる。



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