コンピュータサイエンス―基礎講座・第8回―
コンピュータサイエンス基礎講座 4/24
バネに加わる力
先週はトランポリンの話から始まり、バネの動きを考えていた。
バネの動きで、加速度は一体何により生じるものなのだろうか...?
さて、ではまずバネに加わる力を考えてみよう。
力とは...?
今日はそれを身をもって感じることにしよう。。
では、簡単のためにゴムを使おう。
なんだか嫌な予感がするのは正しい感覚をもっているといえるだろう。
では、嫌そうな顔をしないで、ゴムの端をそれぞれ持って、お互い遠ざかってみよう。
まずは少しだけ遠ざかってみよう。じゃあ、最初はお手柔らかに50cmくらい。
さて、どちらかが、ゴムを放すとどうなるだろうか...。
持っているほうは、ちょっと痛い思いをする。
じゃあ、もっと、50cm以上遠ざかって、またゴムをはなしてみよう。
さて、どうなる?
え?痛い??さっきよりも???
なぜさっきよりも痛いのだろうか??
ゴムがいっぱい伸びたから.........。
そう。ゴムは伸ばせば伸ばすほど、もとに戻ろうとする力が大きくなるのだ。
なるほど、ゴムは伸ばした距離に応じて元に戻ろうとするときの力が変わるらしい。
しかし、かかる力は距離だけでは無い!
さて、他にどんな力がかかっているだろうか?
バネ定数
実は、伸ばすものの素材によってもその力は変わる。
例えば、今までは普通の輪ゴムを使っていたけど、それよりももっと太いゴムを使ってみよう。
この二つのゴムを同じ距離だけ伸ばして放したら、どっちが痛いだろうか...?
そう。太いゴムのほうが痛いはず。
この、バネやゴム自身の性質は、バネ定数と呼ばれる。
つまり、バネ定数が大きければ大きいほど、伸ばしたり、縮ませたりしたときに、元にもどろうとする力が大きくなるのだ。
このバネ定数と、自然状態からの距離、そして、これらの力が働く方向を考える。
バネ定数をK、自然状態からの距離をxとおく。すると、-K×xがバネ(ゴム)にかかる力だということになる。
力と加速度
いま、力が-K×xだということは分かった。しかし、加速度はいったいどうなるのだろうか??
力と加速度はどういう関係になるのだろう??
力が大きければ大きいほど、加速度も大きくなる気がする。
じゃあ、力=加速度??
本当に??
ボールの重さは関係する?しない?
ボールの大きさは関係する?しない?
うーん.........分からない。
こんなときは、歴史の功績に頼ってみよう。
ニュートンの運動方程式である。
運動方程式がどんな式かというと、「力=質量×加速度」
記号に直すと、「F(力)=m(質量)×A(加速度)」となる。
F=mA・・・?
どうやら皆は高校で習ったみたいですな。
今、この式を見ると、とても便利な式に見える気がする...!
今知りたいのは加速度だから、「A=~」の式に変形してみよう。
すると、A=F/m となる。
つまり、加速度は、力が大きくなるほど大きくなり、質量が大きくなるほど小さくなる。
ちなみに、質量っていうのは、物体の動きにくさの指標のこと。重さとか、そういうの。
え、これも高校で習った??
そっか...。
まぁ、とにかくこれで加速度がどうなるのか分かった。
バネの運動
ここまでで、バネがボヨン、と動くときに加速度がどのように変化しているのかが分かった。
加速度が分かれば、もう、速度がわかったことになる。
そして、速度が分かれば位置がわかる。
つまり、もうバネ時間ごとの、位置、速度、加速度の変化が分かった!
では、さっそくシミュレーションをしてみよう。