「はかってみようさんの科学法則マスターへの道」について
4月1日に行った「はかってみようさんの科学法則マスターへの道」について思うことをまとめる。 参加人数は10名ほど、時間は3時間であった。
意図
・子どもが命令を待たずに手を動かせるような教室
・実験がやらされているような雰囲気にならないようにする
・子どもにとって難しい内容であってもごまかさない
構成
・導入
はかってみようさんの自己紹介。不思議に感じたときやわからないときはまずはかってみる。
磁石どおしを近づけてみると、力を感じて不思議だ。
磁力センサをつかうことで磁力をはかることができる。
完成品の紹介、磁石を近づけると音がなる装置
磁力センサをつかうにははんだづけができなければならない。
今回は、磁力をはかる回路(磁力センサ駆動回路)までの製作、音をならす回路(ブザーモジュール)は製作しない。
・工作
はんだごての使い方。安全指導。
事前にホワイトボードに回路図をかいておいた。
図の読み方を教えて自分で作れるようにする。
お手本の完成品を4人でみられるようにする。
電子部品をつける順番を決めておく。
もらった部品がつけられたら次の部品を前に取りに来るようにする。
つくるのが速い子はどんどん進める。
完成したら、準備しておいたブザーモジュールとつなげて磁石を近づけたときに音がなれば
OK
音が鳴らない場合は、講師とTAがトラブルシューティング、問題の原因を探し、生徒が
その箇所をなおす。
完成した子どもから実験を開始する。
・実験
実験は距離と磁力の関係を記録し、グラフにすることで、
磁石のもつ法則を探すというもの
3人ほどのグループで磁石の大きさをはかる。
作成しておいた実験用のシートをつかって磁石とセンサの距離を記録し、
磁力の大きさを表す出力電圧をテスタで測る。
グラフの描き方は最低限聞かれたときのみ説明。
・まとめ
実験結果を生徒にホワイトボードに書いてもらう。
グラフからわかる法則はなにか説明してもらう。
磁力を電気に変えるというセンサの役割と、クーロンの法則について話してまとめる
教室の様子と課題
・導入
自己紹介はそれまでの通常講座でやっているとおりに
わりと自然にできたと思う。
磁石を近づけて音がなる装置を見せることで、
これから何をつくるかが理解してもらえたので、
工作が自然に行うことができた。
実験については説明しなかった。
工作が終わるのは生徒それぞれ速さが異なるため、
実験についての説明は個別に行う形になった。
そのため実験のとき、何をしたらよいかわからない
子どもが遊び始めてしまうことがあった。
導入で今回の主な目的が磁石の法則を明らかにすることであることを
明示すべきだった。
・工作
はんだづけの経験がある子どもは
少し説明を聞いた上で、
ホワイトボードの図を見ながら作ることができた。
はんだづけが初めての子は、
いきなり本番からはんだ付けをはじめて、
重点的に講師TAが個別指導することでサポートした。
しかし、わからなくなった子どもが同時に質問してきて、指導がいきわたらないことがよくあった。
はんだ付けが初めての子は完成までに時間がかかり実験にほとんど時間がかけられなかった。
・実験
自分でつくった装置をつかうことで自然な形で実験へうつれた。
グループにしたことで複数を相手に説明できた。
記録の取り方やグラフがわからない子は、ただはかるだけであった。
グループで記録を取らずグラフを書かない雰囲気ができると、
実験がすすまない。
プリントで距離が測れるようにしたことで手軽に実験できた。
・まとめ
子どもに結果を発表してもらったが、ひとりの子にしか
聞けなかったのでもっとみんなが参加できるような
設定を考えるべき。
磁石との距離と磁力の関係について自分が話しすぎると、不自然になった。
子どもに気づいたことを挙げてもらって最後に簡単にまとめるほうがよかったか
工作と実験を一度に行う意義
装置が電子部品の組み合わせでできていることがわかる。 実験系の原理をブラックボックスにしてしまうと、 因果関係が飛ぶので、理解が難しい上に、経験上やらされている感が強くなる。 しかし、磁力が大きいほど電圧が大きくなることを 動作確認するときなど、その関係を理解できる機会を多く設けることができる。 装置の使い方がよくわかる。 実験の自由度が上がる。 自分の好きなように測定実験ができる。
授業を行うモチベーション
自分が技術がおもしろいと思うのは、 機械や電化製品の原理がわかったときや、 電子工作で自分のやりたいとおもったことができたときだ。 科学がおもしろいと思うのは、 実験でグラフを書いたときに きれいな曲線が得られたときだ。 教科書に書いてあることが実感をともなって理解できるし、 そういうときに試験勉強から一歩抜けた部分で科学と向き合えた感じを受ける。 おもしろいと思うことを共有したいというモチベーションが自分にとって一番自然に感じる。