インスツルメンテーションアンプの試験
インスツルメンテーションアンプとは
インスツルメンテーションアンプの回路図
ガウスメータでホール素子の出力電圧を増幅するためにこの回路を使いたいので、その特性を調べることにした。
上の図にインスツルメンテーションアンプの回路図を示す。
インスツルメンテーションアンプは、差動増幅回路に
ボルテージフォロワを追加して、増幅率を可変にする抵抗を加えた
増幅器。
入力抵抗が高く差動増幅が可能なので、
出力抵抗が高く、かつ、GNDから浮いた信号源の増幅に有効であり、
センサの出力信号の増幅のために使われることが多い。
日本語では計装アンプや計測アンプと呼ばれる。
インスツルメンテーションアンプの入力電圧と
出力電圧には以下の関係がある。
R1の値を変化させることで増幅率を調整できる。
LabVIEWによる直流電圧の増幅の試験
LabVIEWを使って直流電圧の増幅率をテストした。
→プログラムiotest.vi
電圧の入力にはDAQ NI USB-6009を用いたが、負電圧の出力ができないので、
入力電圧に負電圧を用いるときは端子を入れ替える。
実験条件は以下。
抵抗は金属皮膜抵抗を用い、値は
R1=10kΩ
R2=R3=R4=100kΩ
増幅率の理論値は21。
オペアンプはLM324
オペアンプの電源は9V電池を2つ用いて+9Vと-9Vを供給
結果
下のグラフに結果を示す。
横軸のVinはV+in - V-inである。
近似直線はVinが-0.3~0.3の範囲で最小自乗法を用いて求めた。
インスツルメンテーションアンプの直流電圧の入出力特性
直線の傾きはおよそ21となり、理論値に近い増幅率が得られた。
そのほか
また、可変抵抗で抵抗値を変化させることで
増幅率が変化する様子も確認できた。
気になった点として、このオペアンプは単電源で動作するが、
この試験用に製作した回路では、単電源では出力電圧が常に0となった。
ホール素子の出力電圧も増幅できることが確認できた。