LEDにつなぐ抵抗値の求め方
LEDの電流と明るさの関係を調べたい。 実験を通してLEDの基本的な特性から調べることにする。
方法
図1 回路図
上の回路図の抵抗値Rを変化させて各変数を測定する。また、LEDの明るさを写真を通して評価する。
回路はブレッドボードで構築し、各変数はデジタルマルチメーターで測定する。
電源には9Vの乾電池を用いる。
抵抗値は使う抵抗器ごとに測定した値を用いる。
考察は、特に、電流Iがどのように決定されるかに注目して行う。
結果
測定結果を表1に示す。LEDの光り方の画像を図2に示す。
表1 測定結果
R[Ω] |
Vs[V] |
V_LED[V] |
V_R[V] (Vs-V_LED) |
I計算値[mA] (V_R/R) |
I測定値[mA] |
---|---|---|---|---|---|
68.1 | 7.49 | 2.901 | 4.589 | 67.39 | 65.6 |
76.4 | 7.69 | 2.844 | 4.846 | 63.43 | 61.6 |
99 | 7.78 | 2.677 | 5.103 | 51.55 | 50.46 |
331.5 | 8.35 | 2.218 | 6.132 | 18.50 | 18.44 |
683 | 8.67 | 2.078 | 6.592 | 9.65 | 9.63 |
2214 | 8.69 | 1.942 | 6.748 | 3.05 | 3.05 |
10020 | 8.7 | 1.836 | 6.864 | 0.69 | 0.69 |
図2 電流とLEDの光り方
考察
測定結果に関して
表1から以下のことが認められる。・Rが大きいほど、V_sは大きい。
→電池の内部抵抗によるものと思われる。
・Rが大きいほど、V_LEDは小さい。
→変化率は小さいので、LEDは通常2V程度の電圧を保ち、変化はLEDの内部抵抗による電位降下と思われる。
・Rが大きいほど、Iは小さい。
→オームの法則に従っている。
図3にIとV_sの関係、図4にIとV_ledの関係を示す。
図3、図4の直線はいずれも測定値から最小二乗法により求めた近似直線である。近似直線の傾きから電池の内部抵抗は0.018Ω、LEDの内部抵抗は0.015Ωとなった。これらの内部抵抗は実用上は無視しても構わないと思われる。
図3 IとV_sの関係
図4 IとV_ledの関係
LEDの光り方の画像に関して
図2のLEDの写真から、LEDの明るさは電流値に依存することがわかる。デジカメの撮影では、写真の18mA以上の明るさの評価をするのが困難である。
まとめ
LEDの明るさは電流値に依存する。電池やLEDには内部抵抗があるが、ほとんど無視できる。LEDの電流を求めるには、図1の記号を使って、次式で求められる。
LEDの適切な電流値と、LEDにかかる電圧が分かれば次式により、抵抗値を決定できる。
Vs=5V、I=20mA、V_LED=2Vの場合はR=(5-2)/0.02=150[ohm]となる。