HOME > natural science メンバー > 佐瀬 一弥 > 佐瀬日記

オームの法則の実験方法の検証

文責:佐瀬 一弥 (2010年6月 4日) カテゴリ:佐瀬日記(33)

目的

小学生にやってもらうことを意図して 簡便にした下記の測定方法で、 オームの法則が確認できるかどうかを調べる。

提案する測定方法

図1に示す電源装置を用いる。この装置のつまみを回すことで 赤黒の端子間に出力される電圧値が調整できる。
図2(a)のように電源装置、ジャンパーピン、抵抗で 構成される実験系を構築し、 抵抗値は一定にして、電源装置の出力電圧を調整し、 抵抗器の両端における電圧と抵抗器に流れる電流を 記録する。このとき、電圧計と電流計の接続の仕方は 図2(b),(c)のようにする。 (電圧を測定する場合はジャンパーピンをショートさせる べきだが、実験手順が簡単であることを優先した) 電圧を横軸、電流を縦軸にとってグラフを書く。


図1 電源装置の回路図(左)と外観(右)


図2 測定回路の回路図と電圧計、電流計の接続方法

検証方法

値が異なる抵抗器3つの場合に上記の測定方法を 行い、得られた電圧値と電流値が比例関係にあるかどうかを 調べる。抵抗値は、実測値が99.1[Ω]、390[Ω]、984[Ω]の抵抗器を用いた。

結果

3つの抵抗器それぞれを用いた場合の、得られた電圧-電流の 関係を図3に示す。グラフ中の直線はそれぞれの抵抗器を 用いた場合の測定値の近似直線である。パラメータaが グラフから求められる抵抗値に対応する。


図3 電圧-電流の関係

以下に、グラフから 認められることを述べる。
・抵抗器が984[Ω]の場合は、電圧値と電流値が比例関係にあることが十分確かめられる。
・抵抗器が390[Ω]の場合も、電圧値と電流値の比例関係が認められるが、 電圧値が大きい方から2点の測定点の電流値の大きさが同じである。
・抵抗器が99.1[Ω]の場合は、電圧値、電流値が大きくなると、電流値が 飽和するような現象がみられる。

考察

この実験で測定した電圧値は電源装置の開放電圧である。 そのため、電源の内部抵抗の影響が大きい場合は、この 測定値を抵抗の両端にかかる電圧として用いることができない。 99.1[Ω]の場合に、電流値が飽和するような現象は 電流の増加に伴う内部抵抗における電圧降下とみることが できると思われる。
また、電源装置のつまみの位置により内部抵抗が変化することも 考えられることなど考えられる。

まとめ

実験に用いる抵抗器がおよそ1kΩ以上であれば十分に オームの法則が確かめられる。
1kΩ未満の場合は電源装置の内部抵抗の影響がみられ、 この測定方法では電圧値と電流値が比例しない。



▲このページのトップNPO法人 natural science トップ

▲このページのトップNPO法人 natural science トップ




Warning: mysqli_connect(): (28000/1045): Access denied for user 'xsvx1015071_ri'@'sv102.xserver.jp' (using password: YES) in /home/xsvx1015071/include/natural-science/include_counter-d.php on line 8
MySQL DBとの接続に失敗しました