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物性物理学入門
六方最密格子

文責:遠藤 理平 (2016年9月15日) カテゴリ:仮想物理実験室(325)計算物理学(165)

六方最密格子とは結晶の原子配置の一つです。六方最密格子における原子位置は層ごとによって基本ベクトルの基準となる原点が異なります。 1層目の原子の配置は以下のとおりです。

基本ベクトル\mathbf{e}_1\mathbf{e}_1を上図のとおりに与えた場合、原子位置は

\mathbf{r}_{n_1, n_2} = n_1\mathbf{e}_1 + n_2\mathbf{e}_2

で与えられます。次の2層目は1層目の原子3個の中間に配置されます。

1層目の原点から2層目の原点への位置ベクトルは、面に垂直方向をz軸とすると

\mathbf{O}_2 =  \frac{2}{3}\,\mathbf{e}_1 + \frac{1}{3}\,\mathbf{e}_2 +\sqrt{\frac{2}{3}}\,a\hat{\mathbf{z}}

で与えられます。2層目の原子配置は

\mathbf{r}_{n_1, n_2} = \mathbf{O}_2 +  n_1\mathbf{e}_1 + n_2\mathbf{e}_2

となります。三層目の原点は1層目と同じです。そのため、n_3層目の原子位置は

\mathbf{r}_{n_1, n_2, n_3} = \mathbf{O}(n_3) +  n_1\mathbf{e}_1 + n_2\mathbf{e}_2  + n_3\mathbf{e}_3

となります。ただし、

\mathbf O(n_3)=\left\{\matrix{  0 &  (n_3 =0,2,4\cdots) \cr  \frac{2}{3}\,\mathbf{e}_1 + \frac{1}{3}\,\mathbf{e}_2 &  (n_3 =1,3,5\cdots) }\right.

です。なお、\mathbf{e}_1をx軸と一致させたときの基本ベクトルは次のとおりです。

\mathbf{e}_1 = a  \hat{\mathbf{x}}
\mathbf{e}_2 = -\frac{1}{2}\,a  \hat{\mathbf{x}} +\frac{\sqrt{3}}{2}\,a  \hat{\mathbf{y}}
\mathbf{e}_3 = \sqrt{\frac{2}{3}} a \hat{\mathbf{z}}

次のグラフィックスは -4\leq n_1\leq 4, -4\leq n_2\leq 4, 0\leq n_3\leq 7 で指定される原子を表示しています。描画する層数を下部のインプットボックスで指定することができます。

六方最密格子の断面

六方最密格子の最近接結合・第二近接結合


物理シミュレーションについては「HTML5による物理シミュレーション」を参照ください。 数式の表示は「Tex表記によるHTML文書への式の埋め込み」をご覧ください。



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