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【物理シミュレーションに挑戦!】古典力学
様々な力による物理シミュレーション1:弾性力による運動

文責:遠藤 理平 (2016年9月23日) カテゴリ:仮想物理実験室(325)計算物理学(165)

本項は物理学における様々な系の物理現象を、解析的に扱うのではなく数値計算による物理シミュレーションを実行するために必要な計算アルゴリズムを示すことを目的とします。 様々な初期条件に対する物理シミュレーションを実現するために、最も汎用的な直交座標系を用います。
様々な力による物理シミュレーション1:弾性力による運動
様々な力による物理シミュレーション2:万有引力による運動
様々な力による物理シミュレーション3:クーロン力による運動
様々な力による物理シミュレーション4:レナード・ジョーンズ相互作用による運動
様々な力による物理シミュレーション5:引力+衝突力

2点間の距離に比例した弾性力で運動する質点の運動は周期運動を行います。この周期運動は固有振動と呼ばれる基本的な振動の重ね合わせで表現することができます。 本項では、弾性力による質点運動シミュレーションするために必要な計算アルゴリズムを示します。

上図はn番目とm番目の2つの質点間を線形ばねで結合した模式図です。ばねによる弾性力 \mathbf{f}_{n,m} はバネ定数 k_{n,m}を用いて

\mathbf{f}_{n,m} =- k_{n,m}  (  \mathbf{R}_n- \mathbf{R}_m)

と表されます。もし、複数の質点と線形ばねで結合されている場合、n番目の質点に加わる力はそれらのばね弾性力を足し合わせた

\mathbf{f}_n = -\sum\limits_{m=1}^{N} k_{n,m}\,  (  \mathbf{R}_n- \mathbf{R}_m)

で与えられます。そのため、n番目の質点の時間発展は運動方程式から

\frac{d^2\mathbf{R}_n }{dt^2} = -\sum\limits_{m=1}^{N} \frac{k_{n,m}}{M_n}\,  (  \mathbf{R}_n- \mathbf{R}_m)

となります。

弾性力による質点運動シミュレーション

異なる質量の2つの質点

ばねが一つの場合、周期運動は質量とばね定数で与えられる固有振動運動となります。

異なる質量の3つの質点

結合数が3つの場合も周期的な運動を行います。本項では示しませんが、この周期的な運動は固有振動の重ね合わせで表現されます。

ばねに自然長が存在する場合


物理シミュレーションについては「HTML5による物理シミュレーション」を参照ください。 数式の表示は「Tex表記によるHTML文書への式の埋め込み」をご覧ください。



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