【物理シミュレーションに挑戦!】古典力学
様々な力による物理シミュレーション7:任意の剛体棒で結合された結合力
本項は物理学における様々な系の物理現象を、解析的に扱うのではなく数値計算による物理シミュレーションを実行するために必要な計算アルゴリズムを示すことを目的とします。
様々な初期条件に対する物理シミュレーションを実現するために、最も汎用的な直交座標系を用います。
・様々な力による物理シミュレーション1:弾性力による運動
・様々な力による物理シミュレーション2:万有引力による運動
・様々な力による物理シミュレーション3:クーロン力による運動
・様々な力による物理シミュレーション4:レナード・ジョーンズ相互作用による運動
・様々な力による物理シミュレーション5:引力+衝突力
・様々な力による物理シミュレーション6:剛体棒で結合された結合力
・様々な力による物理シミュレーション7:任意の剛体棒で結合された結合力
前項では剛体棒で結合された2個の剛体球の運動をシミュレーションする計算アルゴリズムを示しました。 本項では、任意のペアーの結合に対する計算アルゴリズムを導出します。
2つ以上の剛体球が剛体棒で結合されている場合の結合力も 前項と 同様の手続きで導出することができます。n番目の剛体球に加えられるk番目からの結合力を と表した場合、n番目の剛体球の運動方程式は
で与えられます。 はn番目の剛体球に加わる外力です。もし、n番目とm番目の剛体球が結合されている場合、前項で導出した条件式
を課すことで結合力を導出することができます。 n番目とm番目の運動方程式の片々を引き算すると
となります。この左辺は
となり、右辺は整理すると
となり、
が得られます。後は に関する連立方程式を数値的に解くことで、各剛体球に加わる結合力が与えられます。
連立方程式の解法は「HTML5による物理シミュレーション 【剛体編】」を参照下さい。
結合された剛体球の運動をシミュレーション
剛体棒で結合された4つの剛体球のシミュレーションです。 計算開始前に「固定」チェックボックスをチェックすることで、該当剛体球を固定することができます。
一つの剛体球に複数の結合が存在する場合にも対応することができます。 カオティックな運動をシミュレーションすることができます。
物理シミュレーションについては「HTML5による物理シミュレーション」を参照ください。 数式の表示は「Tex表記によるHTML文書への式の埋め込み」をご覧ください。