「キャンパスベンチャーグランプリ全国大会」にて、NPO法人natural science チームが文部科学大臣賞ほかを受賞
「第16回キャンパスベンチャーグランプリ(CVG)全国大会」(日刊工業新聞社主催、内閣府・経済産業省・文部科学省・日本経済団体連合会・日本商工会議所後援)において、特定非営利活動法人natural science 注1の高橋佑生(東北大学工学部4年)と増保純平(東北大学大学院工学研究科修士2年)が提案したIoTシステム「姿勢矯正メガネ self-neck-corrector」が文部科学大臣賞(テクノロジー部門大賞)とTOMODACHI賞を受賞しました。
CVGは国内最大級の学生向けビジネスコンテストで、全国8ブロック(北海道、東北、東京、中部、大阪、中国、四国、九州)の地方大会を勝ち抜いた高等専門学校、大学、大学院に所属する学生12チームが、2月17日に東京都千代田区の霞山会館で開かれた全国大会においてプレゼンテーションを繰り広げました。審査の結果、natural scienceチームの高橋と増保が受賞に至りました。
現代病「ストレートネック」をIoTで解決
受賞対象となった「姿勢矯正メガネ self-neck-corrector」は、現代人の約8割に発症していると言われる現代病「ストレートネック」を解決するため、その原因となるパソコン利用時の不良姿勢を矯正する新発想のIoTシステムです。カメラとIoTデバイスの検知により、「姿勢が悪い」と判定した時に敢えてパソコン表示画面を徐々に赤くして見えづらくすることで、物理的な矯正機器なしで、自然と姿勢を正すよう習慣付けをさせるシステムを特徴とします。本アプリを教育で用いれば、不良姿勢を未然に防ぐことができます。今回、このようなアイデアと試作も含めた実装、社会に問題意識を持ち自ら積極的に問題解決や価値創造をしていくアントレプレナーシップ精神が高く評価されての受賞となりました。
【図】「姿勢矯正メガネ self-neck-corrector」をメガネに装着することで現代病「ストレートネック」を解消。「姿勢が悪い」と判定した時に敢えてパソコン表示画面を徐々に見えづらくさせることで、自然と姿勢を正すよう習慣付けを行う。
事業化にむけて、医学系研究機関と共同開発へ
「姿勢矯正メガネ self-neck-corrector」開発のきっかけは、高橋と増保自身の辛い肩こりの悩みを解消するためでした。このアイデアが形になった今、高橋たちの次の夢は、今後プログラミング教育の普及によって懸念される、子どもたちの姿勢不良を未然に防ぐことです。その夢の実現のために、高橋は本アプリケーションの事業化を目指し、医学系研究機関と連携しながら実証実験と技術開発を進めていく予定です。
注1 特定非営利活動法人 natural science
知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけて、科学の"結果"だけでなく"プロセス"を共有できる場づくりを目指し、学都「仙台・宮城」の多様な機関と連携しながら、科学教育活動を行うNPO法人(2007年設立)。主な活動として、全国最大級の一般向け体験型科学イベント『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』の主催や、中長期スパンで科学的な基礎力と創造力を育成する小中高大学生向け講座『科学・技術講座』の開発・実施がある。大学生講師育成の一環として、「自分が面白いと思うアイデアを形にする」活動を行っており、本アプリケーションはその活動の中で生まれた。なお、本アプリケーションは、センサーを用いたものづくりの学生向け国際コンテスト「国際イノベーションコンテスト2017世界大会」においても世界1位に入賞している。
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http://www.natural-science.or.jp/article/20180113213621.php