【プレスリリース】
第11回国際イノベーションコンテスト(iCAN'20)
NPO法人natural science チームが国内予選2位入賞、世界大会出場
NPO法人 natural science では、自らのアイディアを形にするプロセスを通じて、これからの価値創造時代で求められる科学的思考力と創造力を養う『科学・技術講座』を小学生から大学生向けに開講しています(※1)。
今年も、本講座の受講生と学生講師で構成する2チームが、9月30日にオンラインで開催された「第11回国際イノベーションコンテスト(iCAN'20)」の国内予選に出場しました。このうち、平岳人君(仙台城南高校2年生、受講歴3年半)がリーダーを務めるチームが第2位に入賞し、国内上位入賞チームに与えられる世界大会出場権を獲得しました。
国際イノベーションコンテストは、各種センサ(MEMSデバイス)を用いたアプリケーションを提案し、そのアイディアを競い合う、学生向けの国際ものづくりコンテストです。第11回目の開催となる今年は全国の大学や高校等から14チームが出場し、アイディアの新規性や作品の完成度を競い合いました。
平くんたちは日本代表チームとして、10月27日から中国の青島で開催される世界大会で、世界各国の代表チームと成果を競います。
第2位入賞(世界大会出場)作品
大音量でも自他ともに安心して音楽を楽しめるヘッドホン『爆音安心』
チーム名: | 「HEIJI(ヘイジ)」 |
チームリーダー: | 平 岳人(仙台城南高校2年生、受講歴3年半) |
チームメンバー: | 高橋 佑生(東北大学工学部4年、「科学・技術講座」指導歴5年)、泉 健太(東北大学工学部3年、「科学・技術講座」指導歴2年) |
第2位に入賞したのは、受講生の平岳人君(仙台城南高校2年生、受講歴3年半)がリーダーとなって開発した、大音量でも自他ともに安心して音楽を楽しめるヘッドホン『爆音安心』です(図1)。本アプリは、「できる限り大音量で音楽を楽しみたい。でも、他人に迷惑をかけずに、かつ難聴リスクも回避したい」という平君のアイディアを形にしたアプリです。
【図1】大音量でも自他ともに安心して音楽を楽しめるヘッドホン『爆音安心』
平君たちのチームは、周囲のにぎやかさに応じて音量を調整できる機能を実現するため、ヘッドホンの内側と外側にマイクを設置し、測定結果を比較することによって音漏れを検知する機能を開発しました。また、ユーザが聞いている音の大きさをマイクで測定し、ヘッドホン難聴のリスクを推定する機能も備えました。さらに、再生中の音楽の音量をスイッチではなくハンドフリーで調整できるよう、加速度センサで測定した頭の動きによって音量を制御できる機能も加えました。審査員からは「メカニズムがシンプルで、実用性と完成度が非常に高い。すぐにでも量産品に提案したらどうか」と高い評価を受けました。
平君たちのチームは、日本代表チームとして、10月27日から30日まで、中国の青島で開催される世界大会に出場し(日本代表チームはオンラインでの参加)、世界各国・地域で予選を勝ち抜いたチームと成果を競います。平君は、「ブルートゥースとマイコンの部分をチップ型にすることでより小型化し、世界大会に臨みたい」と意気込んでいます。
聴覚障碍者に自動車の接近を振動で知らせる『オウダンチョッキ』
チーム名: | Miyagi Safety Road Crossing Association |
チームリーダー: | 吉川 誠剛(仙台二華高校2年、「科学・技術講座」受講歴3年) |
チームメンバー: | 佐々木 洋輔(東北電子専門学校1年、「科学・技術講座」指導歴3年) |
受講生の吉川誠剛君(仙台二華高校2年生、受講歴3年半)がリーダーとなって開発したのは、聴覚障碍者に自動車の接近を振動で知らせることで事故を回避するウェアラブルアプリ『オウダンチョッキ』です(図2)。どの方向から自動車が接近しているかを、4方向に設置したシリコン(MEMS)マイクで検知し、振動モーターでユーザに通知します。また、基板を小型化するために、マイコンを用いずにマイクからの信号を増幅して振動モーターに出力する工夫を施しました。審査員からは「MEMSマイクの指向性がある点を利用した点がよい」との評価を受けました。
【図2】聴覚障碍者に自動車の接近を振動で知らせるアプリ『オウダンチョッキ』
※1:特定非営利活動法人natural scienceでは、「圧倒的な基礎力と創造力をその手に」をスローガンに、自らのアイディアを形にする科学的思考力と創造力を育成する『科学・技術講座』を2008年から開講しています。受講生や講師には、形にしたアイディアを発表する場として各種コンテストへの出場を推奨しており、これまで「国際イノベーションコンテスト(iCAN)」世界大会には日本代表チームとして計6チームが出場し、iCAN'19世界第3等、iCAN'17世界第1位並びに世界3等、iCAN'15世界1位、iCAN'13世界3等の入賞実績があります。
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